起床5時。晴れのち曇り。
起きてすぐに仕事2枚、脱稿。
ちょいちょい散歩。小手鞠が咲いてる。
パン屋さんでホテル食パンを半斤だけ買う。
小でまりや裏戸より訪ふことに馴れ 高濱年尾
朝食、まありと。
カニとアボカドのサンドイッチ、きゅうりのピクルスとチーズのホットサンド、アッサム。
「アンシダン」ファイルを(ほぼ)無作為に抜き出す作業。
えんえん、過去に書いた断片を読み続ける。
カウントすると、5289のファイルがあった。
我ながらすごい量だな。
昼食、ひとりで。
イチゴとホイップクリームのサンドイッチ、ダージリン。
ついでにリンゴとカルダモンのジャム、グレープフルーツとバナナのジャムを作る。
とりあえずファイルを500ばかり抜粋し、使えるもの200にしぼり、
それを分類したり加筆したりして今日は終了。苦行のようだった。
まだ手直しするけれども。なにせ文体がばらばら状態だ。
疲労困憊のまま、いくらかトド撃ち。
夕食、まありと。
筍とじゃがいもと砂肝のにんにくバター炒め、にんじんの白和え、
厚揚げ入りのカレーうどん、大根のぬか漬け。
ビールはハートランド。
白和えはクルミと塩麹を入れた。
コクが出て美味しい。カレーうどんは市販のルーで。
きゅうりの自家製ピクルスをポリポリしながらレモンハートのトニック割り。
音楽、読書、Twitter。
ドヴォルザークの「弦楽セレナーデ」をクーべリック指揮イギリス室内管弦楽団で。
小川三郎『コールドスリープ』など。
名乗りそびれたものたちのこと
ベンチに雪が積もります。
その雪をベッドにしようというのですから、
やはり子供たちの木は知れないものです。
川べりにあるベンチですから、
風がびゅうびゅうと吹きつけます。
そんなベンチに彼らは並んで寝転がり、
透き通った雲に覆われた空を見上げ、
何がおかしいのか、
笑ってばかりいます。
そんな姿を見ていると、
もとより私たちに理由などなかったのだなあ、
という気になります。
風が吹いてきただけで、彼らは笑うのです。
それがいくら厳しくても、
そこに悪意さえなければ、
彼らは笑っていられるのです。
わたしは一人の子供の手を取って、
自分の手のひらと合わせてみました。
するとその大きさは、私とちっとも変わりませんでした。
それどころか、
私の手をすっと握りこんで、
絶対的な力で私を閉ざしてしまいました。
一体そんなことをして、
これからどうしようというのでしょう。
私がいなければ実際彼らは、
ここから家へ帰ることもできないというのに。
他の子供たちはそれを見て、
弾けるように笑っています。
男の子も女の子も、
川面に風が小波を起こすように。
私がどんどん小さくなってしまいます。
それは眠りとも違い、
やがては消えてしまう予感すらします。
しかし子供たちに本気で抗議するなど、
大人気ないではありませんか。
私は雪の積もったベンチの隅で、
どんどん小さくなって閉じることを考えます。
するとしかしなぜだか、
心に小さなランプが灯ったような、
そんな気がするのです。
深い深い、
絶望的に終わらぬ夜に灯った、
暖かいランプのような。
閉じていきながら地面に芽をやると、
割れた雪の合間に小さな、
春の芽が顔を出しています。
つるつるの茎、つるつるの肌、
子供たちはそれを見ても笑うのです。
まるで全ての色は、自分たちが決めているというかのように。
しかし考えてみれば、
今年の雪は去年の雪とは少し色が違うようですし、
川が渦を巻く音もまた、
聞き慣れたものとは別のようです。
子供たちも私も、空や川や雪だって、
所詮は見て楽しむために作られたものであって、
海のように子孫を残すことはできません。
悪意はないにせよ、存在すなわち破壊であるという意味においては、
みんな同罪なのです。
ただ子供たちは子供たちらしく、暗にこの家を飛び出して、
外へ行こうとしているのでしょう。
その分だけ、子供たちは罪が重い。
子供たちが、笑い続けるものだから、降りしきる雪はもう、
桜と見分けがつきません。
そのようにして子供たちは、
冬と春の境目に爪を立て、
そこからぺりぺりと剥がしてみたり、
秒読みを始めたりするのです。
子供たちに理由など必要ない。
だから私の心には、小さなランプが灯っています。
しかし大人の義務として、今日が完全に閉じてしまわないうちに、
彼等にこの雪の上に、足跡をつけさせなくてはならない。
空は歪んで、とうとう大きくバランスを崩し、
子供たちの肌に直接触れるべく手を伸ばしはじめました。
雲一面にひまわりとりんどうが咲き乱れ、
風は濁流となって世界を押し流していきます。
私は必至で春の芽の色にしがみつき、
自分の罪の重さを恥じて、なのに彼らは寝転がったまま、
雪に埋もれて笑ってばかり、
いつまでもいつまでも、
起き上がろうとしない。
ええ、
子供たちにしてみれば、
まだ午前中なのです。
ジャン=クレ・マルタンの『フェルメールとスピノザ』をちびちび読む。
就寝、3時予定。
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