Un Rude Hiver (19th Mar. 2012)

/ 2012年3月20日火曜日 /
起床、7時。

朝食、まありと。
ホットケーキミックスで作った甘納豆入りの蒸しパン、バナナ、ホットミルク。

スカイプ会議。
フクシマについてのアンソロジーに寄稿できることになった。まだ企画段階ではあるけれど。
ようやくきちんと書ける。
この世界にはいたるところに政治があり、闘わねばならない。
既成事実をつみあげつみあげ、やっとここまできたわけだ。
1年をかけて。
こんな苦労をするなんて、物書きになる前は想像だにしなかった。
自由に好きなものを書き食っていけるもんだと信じていたのに。
こういうの、たぶん詩人には理解できないだろう。
書くという行為の意味するところがこれほど違うとは。同じ物書きなのに。
わたしが嫉妬するのは、その安逸な姿勢だ。
死に向かうどうのこうの、苦しみに向かうどうのこうのなんぞ、そんなパーソナルなこと以前の問題だ。

会議のあと、次作のプロットをいじる。

昼食、ひとりで。
朝の蒸しパンの残り、干柿のラム酒漬け、キームン。

ジョゼ・サラマーゴの話をTwitterでしながら、4枚。
1時間もかからず終わった。

散歩と買い物。
茅花、はんの木、土筆、菫、オオイヌノフグリ、菜の花、椿、桃、水仙、黄水仙、蒲公英、
辛夷、色とりどりのチューリップ(とくに淡いピンクで八重咲きの)。

はんの木のそれでも花のつもり哉  一茶

白紙に土筆の花粉うすみどり  後藤夜半

大藁家辛夷がくれになき如し  富安風生

公園のベンチでよもぎ餅を食べながらお茶。少し読書。

草餅の草より青き匂かな  春和

草餅や二つ並べて東山  角田竹冷

夕食、まありと。
筍と鶏肉の古高菜漬け鍋、ブロッコリーの炒めもの、三つ葉と湯葉の花椒油サラダ、
ザーサイとネギと溶き玉子のスープ、ごはん。
日本酒、「睡龍」純米吟醸。古酒ではないのに、かなりボリュームがあるお酒。
デザートはリンゴと棗の氷砂糖煮。

まありとベランダで、毛布をぐるぐる巻きにして読書。
七輪でからすみ焼いたり、餅を焼いたり、うるめの丸干し焼いたり、
お湯をわかしてラムや響12年のお湯割りを飲んだり。
0時近くまで外で読んでいた。レーモン・クノー『きびしい冬』など。

「ぼくはあの人が好きです。けれどひと月もたてば、この恋は死んでしまっているでしょう。跡形もなく焼きつくされてしまっていることでしょう。ぼくたちは別れ別れになって、お互いを見失ってしまう。そしてなにもかもが終わりになる。どこかで火の手があがったんです。その火はまたたくまに燃え広がり、出会うものをことごとく焼いていく。結びついていた二つのものも、その継ぎ目の金属が溶けてしまいます。もとから一つだったもの以外は、ばらばらになって崩れ落ちてしまうんです。どうでもいい卑金属はすぐに溶けてしまいます。けれどもそうでないものは強く鍛えられるでしょう、おそらく。これはね、大火災なんです」
「そうね」テレーズは呟いた。
「そして後に残るものは、黒こげになっただだっぴろい森。そこにはもう鳥たちが戻ってくることはありません」
なんて美しいのだろう、なんて悲しいのだろう。テレーズはため息をついた。鼓膜を震わせた振動が子宮にまで伝わっていくのが感じられた。
ベルナールを見ることができなかった。

就寝、3時半予定。
そういえば「みなみけ」4期決定したという未確認情報が。

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solla mikanagui a.k.a.delineators

基本的にいい加減。
しかも、ふだんは我慢してるけど、根がオタク。
仕事がらみの真面目のことは本垢にまかせて、
せめて副垢では本性を出すことにしたい。

座右の銘は「Quid sit futurum cras, fuge quaerere!」
ホラティウスせんせいの格言で、要するに「なるようになるさ」ってこと。
音楽と本が主食。
でも、料理を作るのも好き。お酒が大好き。
そんで、妹が好き。

まあ、そんな感じ。
 
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