Topio stin omichli (25th Jan. 2012)

/ 2012年1月26日木曜日 /
起床、6時。
めちゃくちゃ寒い。オイルヒーターもなかなか暖まらないほど。
外は昨日に引き続いてちらちらと雪。

起きてすぐに仕事。
まありは朝食にコーンフレークとドライフルーツ、牛乳を飲んで出かけていった。
わたしの朝食はリンゴ半分。

アンゲロプロスの訃報。新作の撮影中にバイクに轢かれたと。
ショックでしばらくぼんやり。
わたしのアンゲロプロスは「こうのとり、たちずさんで」でも「旅芸人の記録」でも「シテール島への船出」でもない。
「霧の中の風景」だ。
そこには物語の始原がわかりやすいかたちでひそんでいるから。
子どもたちが旅に出る、親を探すために。大人に助けられ、大人に迫害される。
そして目的地はいつまでも遠い。


お父さん、遠い旅路です。夢の中では近いのにと弟は言います。手を伸ばせば届くくらいだと。旅を続けています。飛び去ってゆく、町も、人も・・・。すごく疲れた時には、西も東も分らなくなって、お父さんのことさえ忘れそう。そうしたら終りです。弟は大きくなりました。真面目で、服も一人で着ます。大人みたいなことを言います。私はずっと病気でした。すごい熱でした。だんだんよくなってます。でもドイツはすごく遠い・・・。夕べ、旅を中断しようかと考えました。到着する先のない旅は、とても虚しい。弟は大人みたいに怒りました。裏切るのと言われて、恥ずかしかった。


昼食、リンゴをもう半分。
「輪るピングドラム」じゃあるまいし。
午後も仕事。

15時、買い物ついでに散歩。
ものすごい雪。吹雪いているありさま。
コンビニでエメマンのホットを買ってマンションの前の公園へ行ってみるが、
当然誰もいやしない。むしろ、いたら怖い。
牡丹雪のように大きいのに、雪は積もる気配はない。
どんどん溶けて消えていく。

淡雪や幾筋きえてもとの道  千代女

袖に来て遊び消ゆるや春の雪  虚子

食材とヱビスを買って帰宅。
KMへ電話とメール。DSとTHへメール。

ヱビスを飲みながら夕食を作る。
パエリア、スパニッシュ・オムレツ、ほうれん草の松の実風味のソテー、下仁田ねぎの黒焼き。

パエリアの具は、いか、あさり、ブラックタイガー、鱈、
ピーマン、パプリカ、グリーンピース、たまねぎ、トマト。
ちゃんとサフランを使ってみた。
コツは火の調整なので、火加減をちょいちょいいじったり、アルミホイルの蓋をかぶせたり、
けっこう気を使って作る。
(そういえばパエリアは小鷹@はがないの得意料理だったな)
スパニッシュ・オムレツは、薄く切ったじゃがいもをあらかじめコンフィっぽく火を通しておくことがコツ。
柔らかくしたじゃがいもは荒くマッシュして生地に混ぜる。
具はほかにみじん切りのタマネギ、薄切りのロースハムのみじん切り。
下仁田ねぎは真っ黒に焼いて、なかを蒸し焼きにする。
そこに岩塩と黒胡椒、エキストラヴァージンオイル。

手間をかけたぶん、今日の夕食はたいへん美味しいものだった。
パエリアのお焦げがなかなか美味かった。我ながら100点をつけてもいい。
まありも激賞してくれたし。
一緒に飲んだ安心院のソーヴィニヨン・ブランも美味しかった。

お風呂に入って、すぐに仕事。
仕事をしながら、ギルガメシュやアンゲロプロスのことを考える。
物語というのはなんなんだろうか。
わたしはなにを物語るべきなんだろうか。
いや、なにを物語りたいんだろうか。

就寝、2時半予定。

0 コメント:

コメントを投稿

solla mikanagui a.k.a.delineators

基本的にいい加減。
しかも、ふだんは我慢してるけど、根がオタク。
仕事がらみの真面目のことは本垢にまかせて、
せめて副垢では本性を出すことにしたい。

座右の銘は「Quid sit futurum cras, fuge quaerere!」
ホラティウスせんせいの格言で、要するに「なるようになるさ」ってこと。
音楽と本が主食。
でも、料理を作るのも好き。お酒が大好き。
そんで、妹が好き。

まあ、そんな感じ。
 
Copyright © 2010 輪郭線が狂った人の倉庫。, All rights reserved
Design by DZignine. Powered by Blogger