The Children of Fate (29th Jan. 2012)

/ 2012年1月30日月曜日 /
起床、10時。
がっつり眠った気分。潜水艦を動かす夢をみた。

録画しておいた「偽物語」第4話。
忍ちゃんがようやく登場。真綾さまの声、かかか、可愛い。
BDでは湯気消してくれください>兄プレ

幼女の裸を堪能したあと、トド撃ち。
KM、SR、MTへメール。
昨日から続けている校正仕事にはいるが、なんとUTから「今日会わないか」とものすごくむかつく感じのメール。
さすがイニシャルがUTなだけに宇宙人的。とてもじゃないが意思疎通できる自信がない。
ひじょうにだるい。だが下手に断って家に来られてもめんどくさいので承諾する。
「目には鉄拳、歯にも鉄拳」(by 西尾維新)というスタンスで行こうと心に決める。

昼食。フレンチトースト、ベーコンのソテー、トマトとレタスのサラダ、紅茶。
まありとふたりで。

とにかく気がのらないのにぐずぐずと校正仕事。
KMから矢のような催促が仕事の最中にも届くし。社畜め。

18時にD前の広場でUTと待ち合わせ。
赤坂Hで水炊き。
移動中から馴れ馴れしいうえにうるさい。もうずっとしゃべりっぱなし。
ほんとに殴りたくなる。
競馬の話だの仕事の話だの同僚の恋愛の話だの、なんでわたしにそんなことを聞かせたいのかわからない。
食事をして、少し歩いてバーAへ。
シードルやカルヴァドスを飲む(別にピンドラとは関係ないんだけど)。

その間、UTのトークについては馬耳東風を決め込んで、携帯でネットにつながったり。
怒り、経験、風刺、ポエジア、物語、想像力の関係。
ニコ生では小池一夫と虚淵玄の対談。
まどマギは、やはりユダヤ人絶滅という歴史も視野に入れた物語だった。
昨日から考えてきたことの補強となった気がする。
「想像力の魔物からの救済」とも。
経験にけどられず、詩情のみを信じず、自身の想像力もきちんと疑う。
結局これに尽きるのだ。


Turpiter desperatur.   William Henry Hall


UTと別れ、ミスドでドーナツを買い帰宅。22時半。
これは忍ちゃんにあやかって、ゴールデンチョコレートも入れる。
お風呂に入り、ドーナツを食べたり。
アウグスティヌスの『三位一体論』をとばし読み。

日記をまとめて書く。日記じゃないじゃんというツッコミはナシの方向で。
就寝、3時半予定。

こどもブロイラー (28th Jan. 2012)

/ /
起床、5時。
昨日送られてきた校正の仕事をはじめる。
わたしの朝食は抜き。まありにはトーストとベーコンエッグ、紅茶。

仕事を粛々としながら、なんだかしゃくにさわるツイートに噛みついてみたり。
(本人は読んでないだろうが)
「学者と大衆」なんぞわけのわからん区分が知の世界で機能してたまるか。
あげくのはてに、「一般大衆=日本語しか話せない日本で生まれ日本で働き日本で死ぬしかない大多数の日本人」だの
「共同体に対する敬意」だの、くその役にも立たない。

昼食。あんぱん2個、ホットミルク。
17時までぶっ続けで校正に集中。終わりやしない。
まありからサークルの飲み会で遅くなるという連絡。

なぜか劇団騙り明かそうの話。
2001年頃の2ちゃんねるにはいま現在ツイッターで展開されているコミュのあらゆる技法が存在した、とかそんな話。

遅い夕食。チーズトースト1枚、プレーンヨーグルト、紅茶。

こたつにノートを持ち込んで校正仕事。
Dのマスターからがんがん呼び出しらしき電話がかかるが無視。
なんとなくスウィフトとピンドラの類似について誰も気づいていないのはなぜか、とか。
まどマギとの関連などつらつら考える。

まどマギやピンドラにある程度のシンパシーを抱くのは(これは既定)、
そこになにがしかの生々しいリアリティがあるからだろうと思われる。
じゃあそのリアリティってのはなにかというと、なんかよくわからんけれども、
自分の見えないところで見えない犠牲がべらぼうな量あって、それはかたっぱしに存在しないものにされてる。
「こどもブロイラー」みたいに。そういう漠然とした予感がある。

じゃあ、どこに「こどもブロイラー」があるのかはわからんし誰も知らん。
でも、誰ぞが言ってたように、他人の不幸を探しまわるわれらがおるとして、
それは「こどもブロイラー」を探してるってことじゃないのか、とも思う。
そこで、「怒り」だ。
とくにこの1年、この国はもうとんでもないうんこなことになってしまった。
目に見える形で「こどもブロイラー」は絶賛稼働中。
たとえばフクシマの蓋のあいた棺桶にじゃんじゃん日雇い労働者を送り込んで、
十分に放射線を浴びさせたらバイバイしてる。
せめて棺桶に蓋したら名前を彫ったモニュメントを建てるべきだろうが、
身元確認もまともしてないからたぶん無理だろう。
ここでもその存在が消されるわけだぬ。
こういう「存在を消すシステム」がひとつあらわになると、いくらでもあるような気がしてくる。
たぶんそうだろう。

そこでピンドラに戻る。最終話に妹姫に涙を流させたのはなんだったのか。
それは「書かれたもの」なわけです。
「大スキだよ!! お兄ちゃんより」と書いてある、鉛筆で小さな紙切れに。
存在が消されたのになお、言葉だけは響く。
それはね、ものすごいセンチメンタリズムですけどね。
でも、神さまも仏さまもとっくにいないこの世に、たったこの程度の希望もなくなったら、
この世界はマジでうんこです。
そう思うんだよね。

まありの帰宅、3時。べろんべろん。そのまんま倒れ込むように布団に入っていた。
わたしはなぜか寝つけず、少しカルーアミルクを飲んだり。
就寝、6時。

A Little Boy Lost (27th Jan. 2012)

/ /
起床、7時。
朝ごはんにふたりで昨日作った酒粕チーズケーキ食べる。
洗濯機回しながら掃除機かけて、シンクとオーブンを磨いて、ベランダの窓を拭いた。
洗濯物を干していたら、昨日のおっさんが無言で自転車に乗って走って行く。
半袖半ズボンで、腕に包帯巻いてた。元気でよろしい。

仕事をしながらブレイクのことなど。

奪われた少年

自分と同じように他人を愛せる人なんていません。
自分と同じように他人を尊ぶこともできません。
思想が自分自身よりも偉大なものを
知ることも不可能です。

そして父よ、どうしてあなたのことや
兄弟たちのことを自分以上に愛することができましょうか?
扉の回りでパン屑をついばんでいる小鳥のように
私はあなたを愛します。

子どもの傍らに座って話を聞いていた司祭は、
震えるほどの勢いで少年の髪の毛をつかみ、
少年の小さなコートをつかんで引き立てたが
誰もが司祭らしい振る舞いを尊んだ。

高い祭壇に立ち、司祭は言い放った。
見よ、この恐ろしい悪鬼を!
我らのもっとも神聖な聖餐を
批判する理屈をこね上げた者を。

子どもが泣き叫んでも誰も聞こうとしなかった。
両親が泣き叫んでも無駄だった。
子どもは小さなシャツ一枚に剥かれ、
鉄の鎖で縛られた。

そして聖なる場所で焼き尽くされた。
すでに多くの人が焼かれた場所で。
両親が泣き叫んでも無駄だった
アルビオンの岸で行われているのはこういうことだ。

「子どもがアルビオンで焼かれる」というのは物語の始源のひとつだ。
それはイサクの話でわかるように、果てしなく古いところに根がある。
焼き洩らされた子どもたちは、モーセのように世界に復讐して旧い世界を打ち壊そうとする。
それはあらかじめ決められていること。
大人たちは絶対的に他者たる子どもたち
(まったく大人には理解できず、われらの秩序を壊乱し、しかしわれらの所有物である子どもたち)が恐ろしいから
「子どもを救う大人」や「子どもに救われる大人」という物語にシンパシーを寄せる。
それは焼かれた子どもたちへの贖罪であり、旧い世界を守る義務のひとつだ。
アルビオンの話もイサクの話も三人称で語られてることを確認しておく。
他者を焼くという行為は大人だって怖いものだ。
いくらわたしの「所有物」であっても、だ。
さて、では過去数千年(もしかすると数万年)続く、旧き欺瞞に拠って立つわれらの世界にあって、
物書きはいったいなにができるだろうか?

数日前から無茶苦茶な量のスパムがケータイに送られてくるようになった。
だいたい1時間に2、3通送られてくる。
フィルターも効かない、着拒するのもめんどくさい。
アドレスを変えるのも面倒くさいので放置してるけど、いい加減にして欲しい。

ヒャダインのシングルを回しながらあんぱん作り。
ひさしぶりのパン焼き。まあ、あんこは既製品なんだが。

本垢周辺では共和党大統領候補者予備選のディベート実況。
やはりロムニーが強い。

「Twitterが国の状況により、検閲を行う意向を表明」というニュース。
これはたしかに後退だが、ネチズンというのは裏をかくことに長じている。
「検閲が行われている国のユーザーは、検閲されたツイートがタイムラインの中でグレイアウトして表示されるため、
検閲されていることを知ることになる」
これが大事。なにかが隠されていることを知ることが大事なこと。
抑圧国家の中に、新たなソサエティを準備するきっかけになるだろう。
また、シリアが末期的な状況。軍が分裂しつつある。
情報機関が機能していない。内戦化しそうな悪寒。

昼食。できたてのあんぱん2個、ホットミルク。
食事の後、お風呂に入ったら、予想に反して1kg痩せてた。
なんかよくわからんがストレスで痩せたんだな。そうに違いない。

部屋でいろいろ準備をしていたら、なにかへんな匂いがする。
臭いわけじゃないんだけど、なんかヘンな香り。昨日から気づいていたんだけど。
匂いを辿ると、本の山の隙間にスティックが挿してあるオイルが置いてあるのを発見した。
トイレに使っていたフレグランスオイル。
もちろん自分が置いた記憶はない。ということは、妹がこっそり置いたのだろう。
メールして確認した。妹からの回答


臭くはないけどカビ臭いからいい匂いにしてあげようと思いました。ごめんなさい。
気に入らなかったらトイレに戻しておいてください。


14時すぎからスカイプでG社のインタビュー。
めんどいができるだけ愛想良く応える。
1時間ほどで終了。

ClariSの「ナイショの話」のフル音源を某所で発見。
マスタリングも酷いし、あのギターリフもない。おそらくデモ。
何度か繰り返して聴く。Supercellらしい曲だ。

夕食。ほうれん草のヨーグルトカレー、カリフラワーのサブジ、トマトのライタ。
カレーにはチキンを入れた。
サブジにはターメリックとコリアンダー、ライタにはクミンシードとカイエンヌペッパー。

夕食後、しばらく原子力政策と軍事技術、とくにAPFSDSの関連について。
劣化ウランを中心にした民間と軍の共存システムなど。
原子力政策は、つねに安全保障とセットで考えられるべき問題。

並行してポストロックの話。
toe, Special Others, Tortoise, Mum, Autechre, Jim O'Rourke。
音楽と叙情性について。
10代最後の年、夏の東京、真冬のデトロイトのデリック・メイ。
デトロイトという怒りの都市について。

2時半就寝。

Kuyunjik (26th Jan. 2012)

/ /
起床6時半。冷え込むがいい天気。
まありはグラノーラを食べて学校へ。わたしは朝食なし。

リビングを掃除して、3時間ほどやる気ないままグズグズ仕事。
注文していたブラウンべティのティーポットが届いてなんかやる気出てきた。
飴釉でなかなか渋い色目、持ってみると重量感もある。
デッドストックもので新品で手に入ったのはかなり嬉しい。
さっそくジョガマヤを作ってみる。こころなしか美味しい気がする

紅茶を飲みながら、「書き言葉の爆発」について。
物語を駆動させる機関としての話し言葉。
アウグスティヌスの『三位一体論』における死語。話し言葉という外部。
アッシュールバニパルの図書館。ボルヘス。


図書館があらゆる本を所蔵していることが公表された時の最初に生まれた感情は、途方もない歓びであった。すべての人間が手つかずの秘密の宝物の持ち主になったような気がした。その有効な解決が六角形のひとつに存在しないような、個人的あるいは世界的な問題はなくなった。宇宙は根拠が与えられ、宇宙は突然、希望の無限の広がりを獲得した。


昼食。ゴマと豆腐のクリームパスタ。フェトチーネ、生ハムを入れて。
お豆腐と酒粕が冷蔵庫に残っていてもったいないので、食事のあとレアチーズケーキ作ったり。

本垢ではあいかわらずアレント周辺の話をしているのだが、
参加しようとしたところでKMより電話。
釘を刺されて仕事。

夕方、ぼけっと外を見ていたら、このクソ寒いのに窓を開けてぼけっと外見てたら20mばかり下の道を
半袖半ズボンでツルッ禿げのおっさんが奇声をあげながら自転車でジグザグ走行してた。そして、こけた。
おっさんは爆笑しながらバンザイ。
怖いなあ、怖いよ。

夕食を作ろうかというところで、同人誌が送られてきた。
楽しみにしていたモノxクロさんところのトラブるの薄い本も届いた。
すごくいいエロ本だった。

「やられやく」の管理人が逮捕とのこと。
ウイルスを送ったとか、警察に自演してたら捕まったっぽい。
2ちゃんねるの技をリアルで使うなよ、と思った。

夕食。鮭と水菜のあっさり煮(塩鮭の塩分+ごく少量のうすくち)、里芋のコロッケ、
切干大根のごまマヨネーズ・サラダ、キャベツの浅漬け、ごはん。ヱビスビール。
鮭と水菜のあっさり煮は、冷凍してた新巻鮭で。もう塩を加えず、香りづけにごく少量のうすくち。
里芋のコロッケは鰹節とウスターソース。浅漬けには花椒で香りを。

お風呂に入ってさらに仕事。集中。脱稿2時。
猛烈に疲れた。
酒粕チーズケーキを夜中に食べたり。

4月からのノイタミナ枠「坂道のアポロン」は渡辺信一郎×菅野よう子で制作とのこと。
PV見たらすごくいい感じ。楽しみ。
就寝3時半。

Topio stin omichli (25th Jan. 2012)

/ 2012年1月26日木曜日 /
起床、6時。
めちゃくちゃ寒い。オイルヒーターもなかなか暖まらないほど。
外は昨日に引き続いてちらちらと雪。

起きてすぐに仕事。
まありは朝食にコーンフレークとドライフルーツ、牛乳を飲んで出かけていった。
わたしの朝食はリンゴ半分。

アンゲロプロスの訃報。新作の撮影中にバイクに轢かれたと。
ショックでしばらくぼんやり。
わたしのアンゲロプロスは「こうのとり、たちずさんで」でも「旅芸人の記録」でも「シテール島への船出」でもない。
「霧の中の風景」だ。
そこには物語の始原がわかりやすいかたちでひそんでいるから。
子どもたちが旅に出る、親を探すために。大人に助けられ、大人に迫害される。
そして目的地はいつまでも遠い。


お父さん、遠い旅路です。夢の中では近いのにと弟は言います。手を伸ばせば届くくらいだと。旅を続けています。飛び去ってゆく、町も、人も・・・。すごく疲れた時には、西も東も分らなくなって、お父さんのことさえ忘れそう。そうしたら終りです。弟は大きくなりました。真面目で、服も一人で着ます。大人みたいなことを言います。私はずっと病気でした。すごい熱でした。だんだんよくなってます。でもドイツはすごく遠い・・・。夕べ、旅を中断しようかと考えました。到着する先のない旅は、とても虚しい。弟は大人みたいに怒りました。裏切るのと言われて、恥ずかしかった。


昼食、リンゴをもう半分。
「輪るピングドラム」じゃあるまいし。
午後も仕事。

15時、買い物ついでに散歩。
ものすごい雪。吹雪いているありさま。
コンビニでエメマンのホットを買ってマンションの前の公園へ行ってみるが、
当然誰もいやしない。むしろ、いたら怖い。
牡丹雪のように大きいのに、雪は積もる気配はない。
どんどん溶けて消えていく。

淡雪や幾筋きえてもとの道  千代女

袖に来て遊び消ゆるや春の雪  虚子

食材とヱビスを買って帰宅。
KMへ電話とメール。DSとTHへメール。

ヱビスを飲みながら夕食を作る。
パエリア、スパニッシュ・オムレツ、ほうれん草の松の実風味のソテー、下仁田ねぎの黒焼き。

パエリアの具は、いか、あさり、ブラックタイガー、鱈、
ピーマン、パプリカ、グリーンピース、たまねぎ、トマト。
ちゃんとサフランを使ってみた。
コツは火の調整なので、火加減をちょいちょいいじったり、アルミホイルの蓋をかぶせたり、
けっこう気を使って作る。
(そういえばパエリアは小鷹@はがないの得意料理だったな)
スパニッシュ・オムレツは、薄く切ったじゃがいもをあらかじめコンフィっぽく火を通しておくことがコツ。
柔らかくしたじゃがいもは荒くマッシュして生地に混ぜる。
具はほかにみじん切りのタマネギ、薄切りのロースハムのみじん切り。
下仁田ねぎは真っ黒に焼いて、なかを蒸し焼きにする。
そこに岩塩と黒胡椒、エキストラヴァージンオイル。

手間をかけたぶん、今日の夕食はたいへん美味しいものだった。
パエリアのお焦げがなかなか美味かった。我ながら100点をつけてもいい。
まありも激賞してくれたし。
一緒に飲んだ安心院のソーヴィニヨン・ブランも美味しかった。

お風呂に入って、すぐに仕事。
仕事をしながら、ギルガメシュやアンゲロプロスのことを考える。
物語というのはなんなんだろうか。
わたしはなにを物語るべきなんだろうか。
いや、なにを物語りたいんだろうか。

就寝、2時半予定。

Gilgamesh (24th Jan. 2012)

/ /
昨夜寝る前にちょっとストレージサービスについて調べてみた。
Megauploadの即死、FileSonicの仕様変更に続いて、
FileServer、UploadStation、FileJungleは垢BAN祭かつ仕様変更。
とっくのむかしにHotfileは訴えられてて死に体。
Mediafireはまだ生きてるけど、FBIの家宅捜索の噂。
Wuploadはアフィが死んで過疎ってる(その後、無料垢には1DLごとに120分の要待ちってのがわかった)。
Uploaded.toは北米からのアクセスを遮断してる。
まだ仕様が変わってないのは、回線が細いfilepostとかbitshare、Crockoくらいっぽい。

この流れだと、割厨は本格的にP2Pに乗り換えるだろうし、その勇気がない奴らは中国大陸のサービスに依存するだろう。
そうなるともう誰にも止められなくなるのに。
ロイターが報じたように、Megauploadが死んだことで、
アメリカのコンテンツ業界が新しいビジネスチャンスをなくしたこともたしかだ。
結局SOPAも廃案となったけど、FBIはずいぶん先走ったことをしたものだと思う。
(たぶんSOPA成立を見越した動きだったのだろうが、誤算だったはず)

起床、7時半。ちらちらと雪。
朝食はふたりとも抜き。
すぐに翻訳仕事。ときどき「ゆるゆりのうた」シリーズを聴いたりしながら。
C81の限定盤もゲットンしたのでぐるぐる回す。

共和党フロリダ予備選の討論会を見たり。
冷たい印象のロムニーがギングリッチをやり込めてたり。
窓の外は雪が降ったり止んだり。


吹はれてまたふる空や春の雪  太祇


昼食。
トーストとヨーグルト、バナナ、コーヒー。
昼食のあともひたすらずっと翻訳。めどがつく。

夕食。妹に牡蠣を買ってきたもらったので、それをメインで。
牡蠣の塩煮(牡蠣を酒と塩でごく軽くネギと煮る)、大根の五目煮(大根、鶏もも、人参、蓮根、こんにゃく)、
温泉土産の白こんにゃくお刺身(酢味噌で)、クコのおひたし、ゆず大根、ご飯。
これも温泉土産の一の井手純米吟醸、冷やで。
もっと香りが立つのかと思ったけど、けっこう軽い飲み口。
ふたりでぐびぐび4合ほど飲む。

さらにお風呂に持ち込んでお酒を飲む。
結局、半升以上開けてしまい、しかも長湯。のぼせる。

相当酔いちくれたので、しかたなく仕事は放棄して「ささめきこと」のDVDを3巻まで。
演出も丁寧で、原作へのレスペクトがあふれる良作。
あまりアニメ業界では評価が高いものではないようだけど、どうかしてる。
明日『ささめきこと』の完結巻は届くだろう。

本垢のTLでは言語の政治性、真正さなどを議論している。
アリステレス、アウグスティヌス、ハイデガー、アレントなど。
ちょいちょいちょっかいを出しながら、副垢ではもっとのほほんとした話。
古典福音館古典童話シリーズや青い鳥文庫について。わたしの起源だ。
副垢のTLには「コロボックル物語」を読んでるJKがひとりいて、すごく心を動かされる。

と同時に、ギルガメシュ物語について。
シュメールの時代に、はじめて粘土板に神話伝承を記したとき、なにが起こったのか。
あたらしい次元、地上の有限な生の次元から別の次元を拓けたということ。、
神とひととの間に、そのイマジネーションでヴァーチャルな中間次元を拓いた人間の美しさ。

これは、初音ミクの天使性の起源にさえつながっている。
わたしたちは根っこからろくでもない生き物だが、
ギルガメシュや初音ミクのような中間次元の存在を生み出すことができた時点で、
祝福に値する存在となったのように思える。
だからこそ、物語の陳腐さを恐れてはいけない。
ラブストーリー、メロドラマの力は強い。
子どもを大人が、大人を子どもが救う物語は強い。
旅する物語は強いのだ。

就寝、3時。

Strobo Nights (23rd Jan. 2012)

/ 2012年1月24日火曜日 /
7時起床。
ひとっ風呂をふたり一緒に浴び、宿のレストランで朝食。

羽釜炊きのご飯。
朝堀り筍のお刺身、筍の大名焼き、もじみがさの納豆あえ、ゼンマイの辛しあえ、かんのんそうのおひたし、
蕗味噌・朴葉味噌・山椒味噌、かますの開き、セリの卵とじ、三つ葉のお味噌汁などなど。
山菜がたくさん。
今日は旧正月なので、前日に頼んでおいたお餅も焼いてもらう。
白餅、よもぎ餅、とうきび餅。お腹いっぱい。

最後にもういちどお風呂に入って(結局何度入ったのか)、出発。
ここに来たらいつも行く由布院美術館へ、佐藤渓の絵を見に。
しかしこの美術館も、どうやら3月いっぱいで閉館するようで、しんみり。
たぶん10回以上は来たんだけどな。残念。
佐藤渓の絵は、振幅が激しい。
陰鬱な心象描写と、奇妙な祝祭の感覚。
大きいキャンバスに描かれた絵と、ダンボールに炭で描かれた絵と。
振幅の激しさというのを、わたしはつねに持っていたいと考えているから、
佐藤渓の矛盾した創作群には心惹かれる。

別府まで足を伸ばす。
移動の途中で「Filesonicが日和って仕様を変更した」というニュース。
Megauploadに続きFilesonicも死んだとなると、割厨には大打撃であらう。

魚屋さんや八百屋さんで材料を買って、鉄輪で地獄蒸し。
鶏手羽元とか、海老とか、甘鯛とか、じゃがいもとか、かぼちゃとか。
まありは予想どおり喜びながら、よく食べる。
結局、いつもこの子が喜んでくれるなら、それがわたしにとってのいちばんの満足なのだ。
これは素直に思うこと。さすがに一回りも年が離れているから、真剣にむかつくこともない。
なので、「妹に殺意を覚える姉」なんて2ちゃんねるのスレッドを見ても、正直よくわからない。
というか、なぜこんなに食べてるのにこの子は太らないのか、それもまったく理解できない。

食事をしたり、海地獄に行ってみたり、地獄プリンを食べたりしながら、
携帯でネットを見てると、なぜか後藤邑子のアニソンカバーアルバムを発見。
「TOUGH BOY」(原曲はTOM★CAT)を聴いてのけぞる。
こういうものを商品として販売するというレコード会社の英断にむしろ敬意を感じる。
(帰宅したあとポチった)

あえて下道で帰宅。
なんてことはない田んぼや山の中で写真を撮ったり、古いお地蔵さまにみかんをお備えしたり。
途中、自販機でコーヒーを買いながら。天気が良くて、空が高い日。


下萌や土の裂目の物の色  太祇


18時頃、ようやく久留米。
ひさしぶり(数年ぶり)にOラーメンで夕食。味はぜんぜん変わってなかった。
久留米からは高速で帰る。

帰宅20時すぎ。まありはこたつで撃沈し、わたしはトド撃ち。
RR、DS、TH、KHへメール。
KMに電話とメール。スケジュールの確認。
ついでに校正の仕事を1時まで。

ブログを書いて寝る。天使性について少し考える。
アンリ・コルバンの本を読みなおそうかと思う。
関東は雪。冷える夜。
就寝、2時半予定。

Le Cirque (22nd Jan. 2012)

/ /
前夜、結局「WORKING'!!」のBDなど見ていて、就寝はほぼ3時頃。
なのに5時半には起床して、7時に温泉へ出発。
阿蘇方面へ。

とりあえず日田まで高速で。それから黒川。
途中、ちょいくちょくSAで休憩しながらおにぎりをかじったり、お菓子をぽりぽり食べたり。
のんびり行く。

11時前に着。
車を止めて景色を見たり、通りがかった小さな神社に参拝したりしながら、お昼。
Tでお蕎麦を食べる。十割蕎麦と無量寿。
ここのツユはけっこう辛めなんだけど(なので西日本の人にはきつく感じるらしい)、わたし的にはたいへん美味しいもの。


鐘が鳴る温泉橋を渡る  山頭火


黒川で外湯に入ろうとうろうろ。
温泉卵を発見、2個購入して足湯などしていると、まありがお泊まりを所望し始める。
じゃあせっかくだからということで由布院まで行こうかと決定。
ネットで調べてみると、以前からまありが泊まりたがっていたMに部屋の空きがあったので電話でおさえた。
インターネッツというのはこういうときの便利さはすごいものだと思う。
宿を抑えている間に、まありは温泉卵を2個完食していた。

14時には由布院。小雨。
わたしはいつものようにシャガールを見に行き、まありは買い物へ。
美術館の下のカフェで焼きプリンを食べながら待っていると、まありが荷物を抱えてくる。
安心院ワイン、生ハム、オサレ系民芸調の食器など。
呆れた。
少し金鱗湖を歩く。ガチョウになつかれる。

Mへ。
ウェルカムドリンクのコーヒー、まありはチーズケーキをプラス。
コルビュジェの椅子、巨大なタンノイのスピーカー、ちらちら炎が見える暖炉。
のんびり。
手続きが済んで離れの部屋へ通されると、さっそくふたりでお風呂。
のんびり。


ちんぽこもおそそも湧いてあふれる湯  山頭火


(ちんぽこが1個もないのが残念だが)
浴槽のモザイクは大正時代のタイルを使用したものらしかった。
クラシックなガラス窓を開けるとひんやり冷気が浴室に流れ込んでくる。
お風呂の仄明るさ、窓の外の暗さ。
まありの学校のこと、友だちのこと、恋愛のこと。いろいろ話す。

お風呂上りのまありは、イケメンのバーテンさん相手にバーでビール。
わたしは、併設の美術館や雑貨屋へ行ったり。
妹がたいへん楽しそうでよろしい。
この宿はサーヴィスが素晴らしく行き届いていて、
たとえば座って本を読んでいると、スタッフがさりげなくお茶を出してくれたり、ひざかけを持ってきてくれたりする。
調度類も素晴らしい。ハンス・ウェグナーの椅子でくつろげるのは素敵なことだ。
きっとイケメンのバーテン氏も優しいのだろう。

部屋で夕食。
タラノキのくるみあえ、干アケビの袋煮、季節野菜の天ぷら、関鯖のお刺身、アラ鍋、豊後牛のもろみ焼きなどなど。
ものすごく美味しい。料亭旅館クラスの食事だと思う。
じっくりゆっくり食べた。
もし夜中におなかが空いたら、ということで、夜食のおにぎりまで持ってきてくれる。
翌朝の朝刊まで選べる。なにかお聴きになりたいCDがありましたら・・・とリストまで見せてくれる。
いたれりつくせり。

食事のあと、まありとふたり、バーでお酒。
スコッチやジンを暖炉の火のそばで飲む。
〆はチーズケーキと極甘のアイスワイン。
まありはバーから仕入れてきたハーフのワインをちびちびやりながら読書。
(いま、わたしが貸した『神様のメモ帳』を読んでいるようだ。)
わたしもお風呂に入ったり、本を読んだり、断続的にネットにつながったりしながら、夜ふかしをする。

TSからなにやら鬱気味なメールが来ていたので返信する。
「詩は詩だ。ノヴァーリスが言うように、詩は自立するもの、自立したものが詩だ。
それを書いてるおまえは幸せ者なんだ。ちっとは誇れよ」と。

夜食にふたりでおにぎり、たくあん、お茶。
確実に太りそうでいけない。

関の戸の火鉢ちひさき余寒かな  蕪村


就寝、4時半頃。
ふたり同じベットで寝る。たぶん3年ぶりくらいのこと。

Qohelet

/ 2012年1月21日土曜日 /

結局昨夜は、本を読みながら夜ふかししてしまって、朝6時に就寝した。
朝8時に起きるはずだったのに、10時すぎに起床。
しかもFM氏の電話の音で。我ながらふぬけている。
JS、TYにメール。KKに電話。

放置していた「パパの言うことを聞きなさい」第2話を見て、シャワーを浴びて、
同じく朝ごはんを食べていないまありと、ふたりでブランチ的お茶漬けを食べる。
木の芽の佃煮をのっけてかつおだしの素を少しかけてお茶をそそぐだけ。
あとは、到来物のオホーツク漬け(白菜と鮭が重ねて漬けてある)、自家製の田づくり。

マタイ24:1-14からコレヘト、ウィリアム・ブレイクなど。
終末、選民、海洋的な新約、砂漠的旧約とか。

SOPA廃案。当然だ。

シニシズムについて。
たしかにシニシズムはミクロな政治の審級においては悪であろうけれども、
では以下のようなシオランのシニックはなんのために存在しているのだろうか。
人間はこのようなシニックを得て、知って、それでなにがどう変わるのだろうか。

生と死、どっちにしても、たいした中身はない。不幸にも、人はいつも、それに気が付くのが遅すぎる。気づいたからといって、もう、生きるにも死ぬにも何の役にも立たないのである。


やる気が出ず、当然ほとんど仕事も進まず、なんとなく買い物へ行く。
それほど寒くもなく、日差しは暖かい。
途中、侘助が古い家の庭に咲いているのを見かける。

うつくしく交る中や冬椿  鬼貫


最近、鬼貫のそのトリッキーな句作がほいほい頭に浮かんでくるのだけど、
『独ごと』なぞ読むと、実際はそういうものばかりでもないことがわかる。
この句なんて、素直でまっすぐなもの。

夕食は、本日大寒なので鍋。
黒豚のはりはり鍋、ダイダイのポン酢だれとゴマだれ、〆は揚げうどん。
到来物のオホーツク漬け、田づくり。お酒は菊姫の山廃純米。
はりはり鍋、とくに豚肉の鍋には昆布出汁に日本酒(今日はパックの菊正宗)をじゃぶじゃぶ入れるのがこつ。
肉を食べて、水菜を食べたら、素揚げしたうどんを投入する。
味をつけたら、仕上げに大根おろしを入れる。
好みで七味や柚子胡椒をかけていただく。

洗い物をし、お風呂に入ったら、珍しく本も音楽もなしでしばらくぐったり。
冷やしたGEマスネのキルシュを飲む。
仕事なんてぜんぜん進んでいないのに、なぜかくたびれた日。
遅く起きたからかもしれない。
明日はまありと少し遠出して温泉に行こうかと思っている。

今日ははやめに寝るとしよう。
就寝予定、0時。

bit by bit, unlimited

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7時起床。曇天。
まありにはグラノーラを食べさせ、サンドイッチを持たせて送り出す。
わたしは朝食抜き。昨夜、お酒を飲んだので

洗濯をして昨日に引き続いて翻訳の仕事。
MegauploadがFBIによって閉鎖されたとの速報。
Gigazineによると以下のとおり。

司法省とFBIによると、Megauploadの著作権侵害による被害総額は5億ドル(約385億円)を上回るもの。現在、アメリカの議会ではオンラインでの海賊行為を禁止する「Stop Online Piracy Act(SOPA)」法案が審議されていますが、Megauploadについてはすでに2週間前には手配が行われていたとのこと。

共同創業者であるKim Dotcom(Kim Schmitz)とMathias Ortmannはニュージーランドのオークランドで、他の2人の従業員とともに逮捕されました。捜査令状は9ヶ国で20を越える数が発行され、5000万ドル(約38億6000万円)が差し押さえられました。

著作権者が削除申請ツールを使って削除したとしても、実際にはアップロードされたファイルには複数のリンク用URLが存在し、実際のサーバ上のファイルが削除されるわけではなく、そのURLのうちの1つが削除されるだけであり、この削除依頼ツールは実質的には機能していなかった。

Megauploadではサイト閉鎖直前にこれまでかけていたダウンロード速度制限を解除したため、一時的に世界中の帯域の57%を占有することとなりました。これによりDropboxのトラフィックを越えたとのこと。

どうやらMegauploadは40ペタバイト分のメモリを持っていたらしく、素直に感心する。
いま現在のインターネットの全データ総量が250エクサバイトだとすると、megauploadのサーバ規模は0.28%。
もちろんパンパンに使ってたわけじゃないだろうから、実際にストレージされていたデータはこの半分としても
今日の摘発でインターネット上の0.1%のデータにわたしたちはアクセスできなくなったわけだ。
瞬間的ではあろうけど、「全世界の帯域の57%を占有」というのもものすごい。
当然のごとく、アノニマスが司法省やSOPA/PIPA関連サイトを攻撃しているようだけど。
クラウド上に展開したメガ田代砲の浮砲台やら、まあいろんな新兵器を使っているんだろうな、と思う。

昼食。朝作ったサンドイッチとコーヒー。
中身は、きゅうり、トマト、チーズ、極薄切りのロースハム。
胡椒をたっぷり、例の高いマスタードもたっぷり。

午後も翻訳のお仕事。 16時頃、なんとかほぼ終了。
スーパーへ買い物。
帰り道で、電線にカラスがたくさん集っているのを見る。
そういえば、ここいらでは雀はあまり見かけない。夏の夜にはコウモリが飛び回るけど。


見下ろしてやがて啼きけり寒鴉  虚子


寒牡丹も他所のお宅の庭で見かけた。夏の牡丹よりかわいらしい。
蕪の入ったエコバックを片手に見入ってしまう。

ひうひうと風は空行冬牡丹  鬼貫

苞割れば笑みこぼれたり寒牡丹 虚子

今日は二十日正月だということで、夕食は骨正月らしいものとする。
鮭の粕汁、鰯のお刺身(七味入りのお醤油で)、たたき酢牛蒡、卯の花炒り。
粕汁は冷凍していた新巻鮭のアラを使った。
冬の鰯は身がしまっているので、お刺身にするととても美味しい。
鰯は夏は焼いて、冬はお刺身で、というのが持論。
卯の花には里芋を刻んでちょっと歯ごたえが残る程度に炒め煮したものを混ぜる。
酢牛蒡は練り胡麻を使って香ばしく。

お風呂から上がって点検していると、枝毛が気になって仕方なくなった。
毛先の痛みがひどい。椿油使ってわりとケアしてるつもりなんだけど。
そろそろ髪を切るべきか。

本垢twiでまだ続く秋入学騒動は放置して、裏垢twiで放射能兵器の話。
原子力というのは、単純にエネルギー安全保障の問題だけじゃない。
歴史的にみても軍事と関係しているのは間違いない。
1953年にアイゼンハワーが原子力の平和利用を国連で掲げ、
それに後押しされる形でアメリカの承認のもと日本が50年代半ばに原子力研究をはじめたときも、
60年代に福島第一原発にGE製原子炉の導入が決まったときも、
それは当時の地政学上の問題、国家の安全保障上の問題と密接に絡んでいる。
(おそらくそれを見抜いて行動していた日本人の政治家は、ごく一部だろうけれども
アメリカ側はそのあたり、かなり長いスパンで構想していたはずだ。)

そのへんの事情はいまでも変わっていなくて、
ベトナムが原子炉導入を急ぐのも、 対中国との安全保障上の問題が密接に関係している。
もちろんほかにも様々な要素が絡んでいる。
技術と国家の関係、国家と民間の関係(つまり「国益」という概念)、国家と国民の関係、
そもそも科学そのもののありよう(ガダマーの科学技術に対する見方を参照せよ)など。
そういうものを多角的に精細に検討しないと、原子力の問題の本質は見えてこない。
これはそのへんのジャーナリストじゃ太刀打ちできない問題なはず。
こういうときこそ科学史家の出番なはずなんだけど。
まだ年代的にも十分な距離を持てていない問題だけど、 だれかプロジェクトをオーガナイズしてやって欲しい。

とか、ついりつつ考えながら、断続的に校正のお仕事。
いまいち身が入らない。
まありが明日(土曜)遊びに行こうと誘ってきたが、日曜に変更。
ふたりで温泉にでも行こうかと思う。

就寝、3時予定。

Vada a bordo, cazzo

/ 2012年1月20日金曜日 /
7時起床。雨。
朝食。中華粥、大根の紹興酒漬け、ザーサイとキクラゲの炒め物。

午前中、翻訳仕事。肩が凝る。

昼食、
シフォンケーキを生クリームたっぷりつけて、半解凍させたブルーベリー、コーヒー。

午後、翻訳仕事。肩が凝ったうえに腰も痛くなってくる。
雨の日って、なぜか身体が強る気がする。

すごく疲れてしまって、ぼんやりと小学館の『世界美術大全集』をめくっていた。
第7巻、西欧初期中世美術の巻。
「写字生の祈り」という東北芸工大の安發和彦せんせいのわりと短いテキストを読む。
7世紀以降、修道院の写字生たちの生活についてなど。
ほとんどの写本は写字生や挿絵師の署名はないんだけど、ごく稀に奥書にテキストが残されているらしい。
大英博物館に所蔵されている『スペインの黙示録註解書(異本)』の奥書には、
1091年4月18日、シロスの修道院(たぶんサント・ドミンゴ・デ・シロス修道院だと思う)で筆写が終わったことと
ムーニウスという写字生のメモがあって、それを安發せんせいが訳されている。
ほぼ1000年近く前から、(創作だろうが筆写だろうが)物を書く人間ってのは変わらんもんだなあ、とか思う。

筆写の仕事は、結局それを読む人々を啓発しようとするものです。(読者のなかには)肉体に躓く者もあれば、精神において優る者もあります。あなたがそのどちらであろうと、あなたによかれと思って仕事をする者の作に注意を払ってください。・・・もしあなたが、写本はどのように書かれるのか、それについて知るところがないなら、それを辛いこととは考えないでしょう。しかし、あなたが詳しい説明をお望みなら、それは厳しい労働だと言いましょう。(筆写していると)目は霞んできますし、背は丸まります。肋骨は軋みます。胃は圧迫されます。感情は乱れ、体全体が弱ります。ですから、これを読む人々に申し上げます。これらのページを丁寧に捲ってください。文字を指でなぞりながら読まないでください。というのも、大地の豊かな実りを雹が台無しにするように、心無い読み手(の指)が文字も写本も損なってしまうからです。船人が最後の港を喜ぶのと同じように、私たち写字生は最後の一行を記す時に、歓びがいや増すのです。常なる神のご加護がありますように。


夕食。
青ねぎと牛肉のすき焼き風、ふろふき大根、青ねぎと油揚げのからし酢味噌あえ、ご飯。

夜、お風呂からあがってKRから送られてきた校正のお仕事。
仕事しながら、東山奈央の「愛、おぼえていますか」があまりに心に響いてくるので何度かリピしたり。
朝から10回くらい聴いたかもしれない。
そんなこんなでなんとか終了。まあたいした量ではなかったし。

0時を過ぎてひとり酒。
「菊姫・山廃純米」。肴は豆腐の味噌漬、キャベツの浅漬。足りなくて焼き味噌を少し作る。
菊姫の山廃は濃いので、味噌系のものが合う。
豚の味噌漬けとか焼酎の肴クラスのものでも合うよな。
豆腐の味噌漬けでもパンチが足りないので、焼き味噌まで作ってしまた。しかも麦味噌で。

本垢も副垢も、東大秋入学の件で喧しいが放置。
秋入学にしたところで、たしかに欧米からは学生は来ないだろうが、アジアからは来るだろう。
それはそれでいいんじゃないか?

少し読書。
昨日に引き続いて、フランク・ディケーター『毛沢東の大飢饉』。
危機的な農村から都市へ流入する飢餓民の実態あたり。
数千万人が飢餓に直面していても、隣村へ歩いていく力を失ってしまっても、
あるいは飢餓によって流通も交通も遮断され、情報が入ってこないがゆえに、
最後まで共産党政権に(というより毛沢東に)淡い希望を抱く農民たちの姿が痛々しい。

就寝、2時半予定。

Clavis Universalis

/ 2012年1月19日木曜日 /

起床、8時。
朝食はホットケーキとヨーグルト、ケーキ。

洗濯物や布団を干して、すぐに仕事にとりかかる。
FM氏よりTEL。
仕事をはじめたとたん、パオロ・ロッシの訃報。

昼食。前日の残りの肉じゃが、切り干し大根、お味噌汁、ご飯。
閣下が芥川賞の選考委員を辞めるというニュース。
17時過ぎまで仕事。
けっこう進んで、進捗が予定より2日ぐらい前に倒して進行している。

スーパーに少し買出しに言って、夕食を作る。
鶏肉とカシューナッツの辛味炒め、湖南風レタスのスープ、大根の紹興酒漬け、
ザーサイの白髪ネギのせ、ご飯。
鶏肉の炒め物には朝天椒をがっつりいれて辛くした。
朝天椒は見た目より辛くないから具のレベルで入れる(種を入れたら激辛になるけど)。
唐辛子の香りがとてもいい。
湖南風スープは、大きな鉢にレタスを目いっぱい入れて、
そのうえにちぎったライスペーパーと鯛のお刺身を並べて、鶏ガラ+干しえびの熱いスープを注ぐ。
あっさりしていて美味しい。

読書。
デルテ・シッパー『人生最後の食事』読了。
人生の終末期には食事だけが、他人にあれこれ言われず主導権が握れる唯一の時間だ。
食べるということは、たとえ抗がん剤で食事を受けつけなくなっていたとしても、
わたしの意志を表明することができるという点で、やはり大事なことなのだ。

『哲学の歴史4』読了。
近代科学の成立の過程がスリリング。先日読んだガダマーと呼応する。
マルブランシュの機会原因論とか、ちゃんと読んでみたい。

22時を過ぎて、まありのためにシフォンケーキを焼く。
明日学校へ持っていきたいとか言うので。
ケーキを焼きながら、ちょっとだけのつもりでフランク・ディケーター『毛沢東の大飢饉』を読み始めた。
ぜんぜんとまらない。
大躍進とはなんだったのか、まだ正確に明らかになっていないし歴史のなかに定位されてもいない。
けれども、法外としか言いようのない出来事が、1950年代末から60年代初にかけての中国では起こっていた。
さらにそれは文化大革命というまた別の破局につながっていく。
破局の波を何度も経験した中国国民は、
いったい自分がいま生きている国家のことを、本音ではどう考えているんだろうか。

もちろんわたしたちも60年ばかり前に破局を経験した。
1年前の3月11日にも。
わたしたちは自分の住む国のことをどう考えているんだろうか。
ケーキができてクールダウンさせながらリヴィングで本を読んでいたら、いつの間にか寝ていた。

就寝、たぶん1時頃だったんじゃないか?

Hermeneutik

/ 2012年1月18日水曜日 /
起床、7時。
まありにトーストとスクランブルエッグを作り、すぐに仕事。
朝食は摂らず、まず昨夜のやっつけ仕事を仕上げ、メインの仕事。

11時、ブランチ。昨夜の拝火教徒のカレーとスープの残り。
まありの夕食の用意をする。
肉じゃが、切干大根とひじきの炒め煮、田作り、大根のお味噌汁。

14時、外出。
バスに乗ったとたん、携帯を忘れたことに気づく。
PCすら持ってきていないわけで、内心かなり焦ったけれども、
ま、こういうことがあるのも人生だろうよと大仰に考えつつ待ち合わせのスタバへ。

G社FM氏と初顔合わせ。意外とお若い。
けっこう長時間話し込むが、当然のごとく半分以上は雑談。
でも、これも信頼関係醸成には大事なことであらう。

いったんFM氏と別れ、KHさんのところへ原稿を届けにいく。
すぐにOKをもらう。
出向いてきたことでたいへん恐縮されるが、近くだったし時間つぶしでもあるし、とは言わない。
「もっと早く出来ているはずだったのに遅くなったのでこちらからお持ちしました」と、
さらに相手の恐縮を誘う返事をし、軽く恩を売る。
これもお互い同好の士であるがゆえの気安さか。
いつものようにフィギュアについてなど、熱い烏龍茶をいただきながら熱く語る。
とくにアルター「春日野穹」の完成度について、烏龍茶2杯分の時間をかけて語り合ってしまう。
こうなるともはや同志だ。彼の仕事はなるべく受けてやらねばと心に誓う。

18時半、中洲のTでFM氏とお寿司。
河豚はありきたりなので、あえて外してもらいおまかせ。
ヒラメの昆布しめ(はしりの独活と天神様が添えてあった)、アラの塩焼き、
小芋田楽、はしりの合馬筍と雲子の炊合せ椀、寒鮠の甘露煮。
琥珀ヱビス、土佐鶴純米大吟醸、越後お福正宗など。
寿司は、サヨリ、コハダ、寒ブリ、タコ、シャコ、赤身、づけ、中トロ、煮穴子、玉子、松前(だったかな?)
よく食べ、よくしゃべった。

このあとUへ。
カリラのマンサニージャ・フィニッシュ(しかも90年もの!)があったので、
ストレートで頼むと、FM氏に驚かれた。
「え、でももったいないじゃない?」と言うと、Uさんがカリラのハイボールを作ってくれた。
(とはいっても、ノーマル15年もので)
ハイボールにするとピリッと感がなくなって、ただ香りがたつ感じ。
香りが様々な要素に分解され、余韻の長さもそれぞれ違うことがわかる。
ああ、こういう飲み方もありなんだな、と感心した。
何事も先入観を持ってあたるといけないのである。
わたしたちが感心している様子を見ているUさんの嬉しそうな顔がまたなんともよい。

帰宅、23時。シャワーを浴びる。
お風呂から上がると、まありがお土産の松前寿司をつまんでいた。
夕食もしっかり食べ、しかもこんなに遅い時間なのに・・・
健啖というほかない。

芥川賞と直木賞のニュース。
今年は、芥川賞は円城塔と田中慎弥両先生、直木賞は葉室麟先生。
田中先生の受賞会見が面白くてたまらない。


本物は世に出たがらず寒の鰤  加藤郁乎


少し読書。
待ち合わせのときに読んでいたガダマーの『科学の時代における理性』を読了。
ガダマーらしいオポチュニスムはあちこちに見えるけど、
「科学は真に学問であるのか?」という問いは有効であるし、誰かが言わねばならないだろう。
原発が破局的な事故を起してしまったあと、ガダマーのこのテキストはやはり正当なものであるように思われる。

(科学は)〈人間の現存在の全体において、すなわち特に、自らを自然や社会に適用する際に、自分自身が何を意味しているのか〉という点について弁明することもできず、またその必要性も感じていない。


科学が(あるいは科学者が)、本質的に、人間に対して責任を負わない、
あるいは責任を負うことを棚上げにしている知的営みであることをガダマーは指摘したいわけだ。

もう少し本を読んで寝るとする。
就寝、2時予定。

Dry Lemon

/ 2012年1月17日火曜日 /

起床、5時。
まありが「朝はコーンフレークと干し柿でいい」と言うので適当に食べてもらう。
わたしは昨夜お酒を飲んでしまったので朝食は食べないで仕事。

昼食、到来ものの喜多方ラーメン。ゴマを多めに入れて食べる。
14時過ぎまで仕事は快調に進む。2日分は進んだ気がする。
とりあえずKMにメールで報告。

15時、Lカフェ。ホットショコラ。
ここでも仕事を少し。GSさんからTEL、激励を受けてむしろ多少気が重くなる。
帰りにいろいろ食材を買って帰る。ひさしぶりにラム肉など。

夕食、拝火教徒のカレー、ひよこ豆とラムのスープ、白菜のサラダ。
カレーとスープはレザ・ラハバさんのレシピ。白菜のレシピはケンタロウ。
拝火教徒のカレーは野菜カレーに茹でたまごが入ったもので、
レザさんのレシピではフライドポテトが上に乗っかる。
ひよこ豆とラムのスープは、ズルして圧力鍋を使ってしまった。
ドライレモンを使うのははじめて。
黒くてカチカチなんだけど、そのまま鍋に入れる。
かっさかさなのに酸味がきちんと出るのが不思議。レモン汁より香りが立つ。
実際にディージー(スープを煮る鍋)を使って作ると、どんな味になるんだろうか。
食後にLemon Hart 151proofをソーダで割って、まありと2杯ずつ。
レモンづくし。

お風呂に入ったあと、少しだけ仕事。
積んでた「王立宇宙軍・オネアミスの翼」BDを見ながらツイッターなど。
やっぱり打ち上げと戦闘シーンのリアルさは本物だなあ、とか思う。

あとは音楽聴きながらひたすら読書。
CNEAS主催シンポジウムの論文集を読了。
島村一平氏のブリヤート・シャーマンの活動の分析とか、とても大事。
中央公論社版『哲学の歴史5』はパスカルのところ。
積んでたコミックを1冊読了。

寝る前に手帳を見ていたら、KHさんからの依頼を思い出す。
20日締切だったんだけど、いそいでこれから書く。
就寝、3時半予定。

すでにわたしは、全裸であるぞ。

/ 2012年1月16日月曜日 /
起床、7時。
朝食。鮭、じゃがいものお味噌汁、白菜の一夜漬け、ご飯。

まありが朝から夕方までバイトだったので、昼食は食べずじまい。
ひとりだとご飯を作る気にも食べる気にもならない。
掃除したり洗濯したり。ノルマを粛々とこなす。

中央公論社版『哲学の歴史5』、CNEAS主催シンポジウムの論文集など。
ほか、コミックを数冊読了。

「偽物語」第2話にまたも驚倒。
これほど忠実に西尾維新のテキストを映像化するとは!
というか、できるとは!!
「リコーダーとランドセル」第2話、「ゼロの使い魔F」第2話、いわゆるくぎゅう責め。
「リコーダーとランドセル」は置鮎龍太郎と平野綾も出てる。
声優陣がなぜか豪華。3分アニメなのに。
いや3分アニメゆえか。

夕食はおでん。まありが好きなトマトのおでんも作った。
無量塔の粒マスタード。デラウエア種の熊本ワインも。

お風呂、こないだ買ったサルソマッジョーレのバスオイルを使ったら、肌が驚くほどしっとりした。
まありもびっくりしていた。
冬の間はこれを使おうと決める。

夜も読書、音楽など。
読書の合間に、HKとBSからメール。返信。
0時を過ぎてKLF『Chill Out』など聴いていたら、お酒が飲みたくなって、
Lemon Hart 151 proofをロックでちびちびやりはじめた。
太るのはわかっているのに揚げを焼いた。
今日G+でフォローしたお狐さまにやってしもうた粗相のお詫び(アイコンをうさぎと間違えた)に
ベランダに1枚おすそわけを置く。
2度『Chill Out』を回す。
グラスに残ったお酒を飲んでから寝るとする。
就寝、2時半予定。

thermae romae

/ 2012年1月15日日曜日 /
まありとお酒を飲みに行き、帰宅したのは朝7時。
まありはシャワーも浴びずにベッドへ、わたしは辛うじてシャワーを浴び、りんごをひとかけ食べて寝た。

起床、11時。
まありは起きてこず、ブランチという気にもならず、ぼんやりと音楽を聴いたり、メールの返事を書いたり。
KMへ進捗状況のメール。MAにやや長文のメール。

まありが起きたのは16時過ぎ。よく寝るな、と半ば呆れる。
お互いに二日酔いなので、中華粥を作って食べた。と、りんごをふたりで1個。
今日唯一の食事。

夜、『テルマエ・ロマエ』第1話。まあ、こんなものか。
アニメたまってるがなかなか見る気にならない。
読書。音楽。こちらは順調な消化。
就寝、3時予定。

solla mikanagui a.k.a.delineators

基本的にいい加減。
しかも、ふだんは我慢してるけど、根がオタク。
仕事がらみの真面目のことは本垢にまかせて、
せめて副垢では本性を出すことにしたい。

座右の銘は「Quid sit futurum cras, fuge quaerere!」
ホラティウスせんせいの格言で、要するに「なるようになるさ」ってこと。
音楽と本が主食。
でも、料理を作るのも好き。お酒が大好き。
そんで、妹が好き。

まあ、そんな感じ。
 
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